07 DOCTOR
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リハビリテーション

動物の理学リハビリテーション

こんにちは。動物看護師の山口です。

皆様、動物にもリハビリテーション治療があることをご存知でしょうか?

人医療ではメジャーな治療法ですが、近頃は獣医療でも力を入れている病院が増えてきました。

本日は当院でのリハビリテーション(リハビリ)治療について少しお話しさせて頂きます。



当院ではMRIを完備しているため、椎間板ヘルニアなどの脊髄の病気を疑う動物が詳しい検査を行うために多く来院されます。

椎間板ヘルニアとは、ミニチュアダックスフントなどで多い脊髄の病気で、飛び出した椎間板が脊髄を圧迫し、足の麻痺や

排尿障害が見られる病気です。(※詳しくは“DOCTOR BLOG”に説明がございますので、是非そちらをご覧ください。)

当院では、MRI検査による診断を行なった後、手術から術後管理まで一貫して治療を行なっております。

椎間板ヘルニアに限らず特に重度の脊髄障害が生じた場合、麻痺が残ってしまったり、動物が歩けるようになるまで時間がかかることも多いです。

リハビリテーションは、より早期に神経や運動機能を回復させるためにとても重要な治療です。



○なぜリハビリが重要なのか?

 手術を受けた動物では、術後に足の筋肉量の1/3を喪失する場合があり、失われた筋組織の回復には

1年以上かかることがあるとも言われています。

ですが、椎間板ヘルニアの術後にリハビリを行なった動物と行わなかった動物を比較したところ、

リハビリを行なった方が回復が早かったというデータがあります。

術後に適切なリハビリ治療を行うことにより、回復を早め、動物の負担を軽減してくれます。



○リハビリの目的

 ・回復速度を早める

 ・疼痛や腫れを緩和する

 ・筋力、持久力の向上

 ・関節可動域の改善

 ・動物の生活の質を高める



○当院で行なっているリハビリ

 ・冷却療法(アイシング)…疼痛や腫れの緩和

 ・ストレッチ

 関節の曲げ伸ばし運動…固くなっている関節を柔らかくする

 自転車漕ぎ運動…歩行パターンの再習得と関節可動域の改善と維持

 ・補助起立、歩行…筋力と持久力の向上、位置感覚のトレーニング

 ・バランスボード、フィジオロール…筋力とバランス能力の改善




当院では”CCRP”「犬のリハビリテーションセミナー」の受講を始めました。

CCRPとは、米国テネシー大学獣医学部公認認定資格のことで、取得するには、セミナーのほか、実習や試験を受ける必要があります。

Certified(保障する)、Canine(犬の)、Rehabilitation(リハビリテーション)、Practitioner(実務者)の略で、

「知識や経験をもとに犬のリハビリテーションを正しく実施できる」ということを保障する認定資格です。



リハビリについての正しい知識を活用して、スタッフ一同、精一杯サポートさせて頂きます。

飼い主様がご自宅でも継続していただけるよう、資料を用いてスタッフがご説明し、一緒にリハビリの練習を行なっております。

些細なことでも構いませんので、不安なことや分からないことがございましたら、お気軽にご相談ください。