犬と猫の神経病に特化した専門クリニック
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心臓病って?
・どんな症状がみられる?
ここでは、心臓病になってしまった時に私たちの家族である動物たちにどういった症状があらわれるようになるかをご紹介いたします。
咳をする
咳、といっても想像がつきにくいかもしれませんが、「コホッ、コホッ」という乾いたものや「ゴホッ、ゴホッ」という湿ったものの様な明らかに咳とわかるようなものや、「カッ、カッ、カーッ」というたんを吐くような音を出すもの、えずくような動きをとることがあります。夜~明け方や興奮状態になった時にみられることが多いのですが、軽い場合には“水を飲んだあとにむせる”と思われたり、吐く仕草だと思われていることもあります。進行すると、この咳は多くなっていき、安静にしている時にも治まらなくなります。
疲れやすい
心臓の力がおちてくると、激しく動けなくなるために動物が運動を嫌がることがあります。また、非常に疲れやすくなることも特徴となります。例えば、散歩を嫌がったり散歩中に呼吸が乱れて歩かなくなったり、座り込んでしまったり、また、寝ていることが多くなって活動性が低下します。運動するには筋肉が多くの血液を必要とするので、心臓の力がおちてしまうとうまく血液を送り出すことができずに、結果としてすぐ息があがるようになります。
ふらつき、倒れる
心臓の力がおちると、全身へとうまく血液を送り出せなくなります。この時、脳への血液が足りなくなるとふらついたり、立ちくらみのようになったり、意識を失ってしまうことがあります。例えば、咳をした後や走り回った後にガクッと意識を失うように倒れたり、倒れこんでもがくように手足をバタつかせたりする場合もあります。この他にぐったりと倒れこむ“虚脱”や、“けいれん”を起こすこともあります。
食欲がおちた、痩せてきた
心臓の病気が進んでいくと元気や食欲がおちてきてしまうために、段々と痩せていくようになります。“前ほど食べなくなった”または、“人のものしか食べなくなった”・・・こういう時に、初めは食べ物のワガママをしていな、と思われることが多いかと思います。もちろん、ワガママで好き嫌いをしている場合もあるかと思いますが、実は病気の初期のサインとして、食べ物の好き嫌いが出てきている時もあります。
呼吸困難
呼吸がうまく出来ないことで起こる不快な感覚で、症状としてはうろうろして落ち着かず、口が開いたままで呼吸が乱れたり、呼吸が早い様子などが見られます。この時に、心臓病が進んで血液中の水分がうまく処理されず、肺へともれ出してしまい肺に水がたまった状態になることを肺水腫と呼びます。
呼吸困難によって酸素が足りなくなると、呼吸は浅く速くなり、舌の色が蒼白~青紫色になります。これはチアノーゼと呼ばれ、こうなると動物は苦しいため、座ったまま辛そうにしたり、横になって寝ることができなくなります。また、犬がするような口を開けてのハアハアとした呼吸を猫がする場合にも、何か異常があると思われるサインとなります。
お腹がはる・体のむくみ
心臓の病気が原因で、おなかの臓器や全身の血液の流れがうまく流れなくなってしまうと、おなかの中に“腹水”と言われる水がたまってしまうことがあります。おなかだけが異様にはってきたり、手足がむくんで腫れたり、これらのむくみによって体重が増加することもあります。
足を引きずる、急に悲鳴をあげる
心臓の中に”血栓”という血の塊ができて、流れていく時に動脈に詰まってしまうと“血栓塞栓症”という病気が起こり、血液が流れなくなることで急激に症状があらわれることがあります。猫の心筋症で起こることが知られていますが、猫が突然高いところよりおちたり、痛みがでるために足を引きずりながら悲鳴をあげたりすることがあり、引きずっている足は血液が流れなくなるために、時間がたつにつれて、触ると冷たく感じられます。
以上が、主に心臓病で見られるような症状ですが、この中には心臓病だけでない他の病気でも見られるような症状もあります。また、心臓病の中でも原因や病気の種類によって見られる症状は異なります。
初期には、心臓を左右でわけて考えた時に左側に原因がある場合には咳や呼吸困難を認めることがあり、右側に原因がある場合にはあまり目立った症状がみられない事が多く、進行すると倒れたり、腹水が認められます。
しかし、末期になってくると二次的な合併症も起こってくるために、どの症状も起こりうる可能性がありますので、以上のような症状がみられた場合にはできるだけ早く動物病院を受診した方がいいかと思われます。